バンプ・オブ・チキン

幼稚園からの幼馴染(!)である藤原基央(Vo&G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)の4人で1994年に結成。 1999年デビューアルバム「FLAME VEIN」をインディーレーベルのハイラインレコーズよりリリース。2001年、メジャー2枚目のシングル「天体観測」が大ヒット。 キャリアを重ねるごとに寡作になりつつありますが、そのぶん丹念に描き込まれた藤原独特の世界観を、バンドの一体感で表現するロックバンドです。

公式サイト(詳細なバイオグラフィーが読み応えアリです)

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バンプ・オブ・チキン 「FLAME VEIN」



★★★★★ 












1999.3.18
release
「嬉しい誤算」

例えばちょっとした臨時収入を得て、CDでも買おうかとレコード屋をぶらぶらします。
名前も知らないインディーズバンドのデビュー盤のジャケットに目がとまり、レコード屋の店員手書きの解説文にちょっと心を動かされ、1800円ならいいか、と、財布のヒモが緩みます。

そのバンドがバンプオブチキン。とても幸福な出会いでした。ジャケ買いで当たりだったときはいつもそうですが、(正直あまり期待していないだけに)凄く得をしたような気分になったのを憶えています。

デビューアルバム「FLAME VEIN」。演奏も構成もまだまだ未熟ですが、すでにソングライターの藤原基央は、ロックという表現にとって最も大切な「自分だけにしか表現できない世界」を描き出しています。

字面だけ見たら恥ずかしくなるような歌詞も、かすれ気味の声も、中学時代からの親友であるバンドメンバーも、すべてが藤原の頭の中にある風景を具現化するためだけに機能しています。
一曲一曲がまるで絵本のようなひとつの物語をつくり、それが連なってアルバムという大きな世界をつくりあげています。とても力強いアルバムです。

自分に見えているものを、真っ当に表現する力。バンプオブチキンにはその力があり、そしてそれは、ロックという表現に必要とされる唯一のものであると思います。

’04.05.30 (トモヤ)


バンプ・オブ・チキン 「LIVING DEAD」




★★★★











 2000.3.25
release
「ピュアな俺を発見」

インディーズから発売後、04年にめでたくメジャーレーベルで再発された、バンプ2枚目のアルバムです。

全10曲。アタマとおわりにそれぞれ「Opening」と「Ending」という小編を配し、間 にはさまれた8曲は、ご丁寧に内容に合わせた挿絵までついて、まるで連作短編小説のような体裁です。とにかく歌詞の情報量が多い。リピートなんか勿体無いとばかり
に、これでもかと言葉をつめこんでます。

演奏力、表現力は格段に向上し、藤原基央独特の世界観も、ほぼこの時点で確立されています。

描かれるのは、自分の信念に従って生きている、不器用な人達の物語。彼らは、他人からどう思われようが、自分に見えているものを信じて行動します。
「そんなクサい歌詞のロックって、どうなの?」と思われるかもしれませんが、これ が不思議と共感できるんです。それだけの説得力があるんですね。ここまで来たらほとんど力技です。
逆に、「あ、俺ってけっこうピュアなとこあるのね」なんて思わせられます。

これを書くにあたって歌詞を読み返して思ったんですけど、このアルバムが発信してるメッセージは、マンガ「ワンピース」(尾田栄一郎)のメッセージに近い気がしました。
ワンピースで熱くなれるピュアな人は、バンプでも熱くなれるはず。

ネタばらしかもしれませんが、シークレットトラックが面白い。歌詞(っていうか、効果音?)は中学生のバカ会話なんですが、何故かセンスを感じてしまう曲です。

’04.09.12(トモヤ)


バンプ・オブ・チキン 「jupiter」



★★★★★










’02.02.20
release
「ブラボー店員」

シングル「ダイヤモンド」でメジャーデビューを果たし、ドラマの主題歌としてヒットした「天体観測」を引っさげての、バンプ初のメジャーアルバムです。

「天体観測」を聴いてファンになった人達を迎え撃つ、まさに最高傑作。まさかレコード屋の片隅で見つけたバンドが、こんなに立派になるとは・・・っていう思いです。っていうか、あの販促文を書いた店員。ブラボー。君はいい仕事をした。

「昨日や明日じゃなくて 今を唄った歌」(#7「メロディーフラッグ」)

まさにそのとおり。バンプはデビュー以来、「今この瞬間」をはっきりと見据えた歌を作りつづけてきました。
過去の愚痴は要らない、未来の夢想も要らない。重要なのは「今」。でもそれは過去の記憶を引きずり、そして未来へ繋がっている。だからこそ、「今」は重要なんです。

前作「THE LIVING DEAD」のレビューにも書きましたが、今作でも、演奏力・表現力ともに、びっくりするくらい向上してます。藤原基央の世界観の広がりにつれて、バンドのスキルも呼応するかのようにアップする。
ほんとうにいいバンドだなあと思います。  

'04.09.14(トモヤ)


バンプ・オブ・チキン「ユグドラシル」



★★★★★








’04.08.25
release
エッジの上の安定感

このアルバムで、バンプは揺るぎないパブリック・イメージを手に入れたと思います。ミスチルのように、安定して素晴らしい楽曲を提供できるバンド、という。
実際このアルバムは、コアなファンも、イージーリスニングなファンも満足し得る完成度を持っています。バンプの音はこれだ!という確信に満ちてます。

しかし、このアルバムでの、バンプ=藤原基央の立ってる場所は、相変わらずぎりぎりの、鋭い刃の切っ先の上のような場所です。

「jupiter」のヒットによって、それなりの成功を手にしたバンドですが、曲を鳴らすスタンスは、今までと変わらない、いや、明らかにそれまでより自分を追い込んでます。
このアルバムは前作からかなりのインターバルをおいてリリースされましたが、その、待ってた時間も素直に納得できます。藤原は、自分の=バンドのぎりぎりを探してたんだろうなあ、と。

切っ先の上で、どちらにも転ぶことなく、想いを吐きつづけてくれるだろうという、そういう信頼感を持つことができるバンドです。 

’04.11.07 (トモヤ) 





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