ハイロウズ

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ハイロウズ「ロブスター」




★★★


















1998.05.08
release
「バカは不幸が好きなんだ」

ハイロウズのサード・アルバム。ジャケットデザインはなんとあの松本人志画伯によるもの。なんでやねん、とつっこみをいれたくなるところですね。
そしてなによりもファンにはハイロウズ屈指の名曲、「千年メダル」「不死身のエレキマン」が入っているということで有名なアルバムです。

1、2枚目は完全にロックの初期衝動的なものだけを抽出して表現していくというコンセプトで作られていましたが、本作はそういった傾向は残しつつも変化がはじまってきています。S.E.や、オーケストラを導入したところから、初期衝動以外のなにかを探し始めている様子がみてとれます。とはいえ、表面的にはまだまだアホさ、楽しさ全開なので、中途半端な不完全燃焼っぽい感じは否めないです。個人的には大好きなアルバムなんですけどね。

全体的にヒロトはいつもどおりで名曲を量産してます。前述の2曲に加えて、「ブカブカブーツ」とかもかっこいいです。
問題(!?)はマーシーです。マーシーならではの叙情性や文学性なんかの要素を、まだハイロウズでは頑なに限定して出してない時期なんですよね。正直、この時はマーシー才能枯渇?と思っていらぬ心配しちゃいました。曲調が単調な気がしたんですね、特にアップな曲で。次の「バームクーヘン」以降マーシーは「限定解除したんだ」ということで、その使ってないカードをばんばん使ってくるんですけど。

とはいえ、いま現在このアルバムで一番好きな曲。
それが1曲目のマーシー作「コインランドリー」です。
この曲あんまり注目されてないみたいですけど、もっとスポットライトを当てても良い曲だと思います。1曲目に位置している意味を感じ取ってみてほしいです。
コインランドリーでの俯瞰から深い人生論までいく2分弱。バカっぽさに隠れたマーシーの確信。
「バカは不幸がすきなんだ」・・・ブルーハーツを辞めてまで「グッドバイ」したかったのはこのバカな奴らじゃないでしょうか。
「想像力それは愛だ」
「ストレスこそが活力元だ」
「毎日おもい通りだぜ」
かっこいいです。


あと、本作から迎えられたマスタリングエンジニアの大御所ボブ・ラディクによるミックスが、ちょっと高音がざらつき気味なのが残念。聴いてて疲れちゃうんですよね。この後はめちゃくちゃいい相性になってグッド・サウンドを演出していくんですけど。  
05.04.12 (アトム)



ハイロウズ「バームクーヘン」




★★★★★










’99.6.9
release
原点

ハイロウズの4枚目。
確か、彼らがレコーディング&ミックス作業に他人の手を入れず、すべて自分たちで行うようになったのは、このアルバムからだったと思います。当時「セルフで録ったらこんなかっこいい音になるのか!」と驚いた記憶があります。
過去3枚も、それぞれ発売当時はかっこいい音だと感じられたわけですが、このアルバムを聴いたあとだと、どこかモコモコした、冴えない音に聞こえてしまう。それほど劇的にかっこいい、とんがったロックサウンドになったのです。

それまでのハイロウズは(デビュー直後を除いて)、音楽の楽しさ、ばかばかしさを表現したような楽曲を多く作っていました。それはそれで聴いていてとても楽しいものでしたが、ブルーハーツからの流れで聴いていると、どこか物足りないのも事実でした。どうも能天気すぎるというか、飢えた部分が少なくなっているように思えたんです(今思うに、ブルーハーツという巨大なエネルギーを突然終了させたヒロトとマーシーのリハビリ作業だったのかもしれません)。

ところがこのアルバムには、とんがった音とともに、ふたたびスイッチがONになったかのようなぎらついた目のヒロトとマーシーがいます。ただただかっこいいものだけを、自分がかっこいいと思うものだけを、絶対の自信を持って撃ち出しています。

それにしてもこのコンビのシンクロ具合はすごいですよ。
片方だけがテンション上がって空回ってる状態が、ほとんど無いんです。上がるときは一緒に上がり、下がるときは同時に下がる。
僕の中ではレノン/マッカートニーに匹敵する素敵なコンビです。

05.02.21(トモヤ)





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