カスタネッツ

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ザ・カスタネッツ「LIVING」



★★★★


















1996.09.21
release
「ひきこもりロック」

下北沢系ロックバンド、カスタネッツのデビューアルバムです(今もあるのかわからないが、当時そういうジャンルがあった。というか、そうとしか呼べないジャンルがあった)。

曲はポップで聴きやすく、歌も上手い。ルックスも悪くないバンドです。
しかし裏返せば曲はロックになりきれず、中途半端に歌が上手く、ルックスも地味、と言うこともできます。なにかひとつインパクトある武器が無いんです。
たぶんそういうわけで、このバンドはビタイチ売れてません。

しかもひきこもり度抜群のうしろむきな歌詞。

 冬が来て 冬が来て
 君が窓から呼びに来ても
 僕は眠ったふりで (#5「冬のうた」)

まったく「おまいら外に出てみろ」ですよ。

しかし、当時授業行くでもなくバイトするでもなくただただ無為な毎日を過ごしていたダメ学生に、このバンドはばっちりはまってしまったのです。

 今までの通り道に立ち並ぶ世界が
 悲しい声ひとつ立てず崩れるのを見てた (#8「フィクション」)

カスタネッツの世界観が、この歌詞に表れていると思います。
今しっかりと掴んでいるはずのものは、じつは信じられないほどあやふやなものだということを知っているひとの歌です。あやふやだからこそ、それが嘘でも幻でも、よりしっかりと握り締める。
それがカスタネッツというバンドだと思います。

カスタネッツは、2004年現在も元気に活動中です。
たとえ売れなくても、こういうバンドがちゃんと活動していける時代は、いいなあと思います。
・・・いや、売れてほしいんですけどね。ほんとに。 

'04.10.19(トモヤ) 
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