洋楽レヴュー



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VINES「WINNING DAYS」



★★★















’04/03/17
release
「抜群のポップセンス」

オーストラリア出身のUKバンド、ヴァインズの2作目。1STはジャケットが、なんかイマイチでプログレっぽくて敬遠していたんですが(しかも本人直筆だったらしい)、近作もジャケットは、、どうなんでしょうね。ビートルズのリボルバーっぽいジャケ。

とにかくキャッチーなメロディを作るセンスに長けてるな、と思います。
まあオーストラリアには結構そういうメロディ作るのが上手いバンド(スローン)とかいるんですけど、そのなかでもかなりいい線いってますよこれは。

なにせビートルズ・ミーツ・ニルヴァーナと形容されるくらいですからね。ポップであることは間違いないですし、両者のファンともに買って損はしないな、と思います。ニルヴァーナよりキャッチーで聴きやすいかもしれないほどです。まあそれは線が弱いってことにもなる諸刃の剣なんですけど。

曲が短いのも潔くていいです。先行シングルの「RIDE」なんか2分半!60年代かのようです。

1STで成功して、セカンドで「勝利の日々」っていうタイトル。なかなか前向きでいいじゃないですか。

あまたのギターポップバンドのように、ハードからソフト路線に移行しそうな予感が漂いますが、あくまでハード路線をがんばって歴史に残るようなバンドになってほしいですね。

’04.04.13(A)


NIRVANA 「NIRVANA BEST」




★★★














2002.11.2
release
「打ち止め希望」

カート・コバーンの自殺後8年半。妙な時期にリリースされた、ニルヴァーナ初のベストアルバムです。
ニルヴァーナもの、カート・コバーンものの企画盤や書籍は、定期的に、忘れたころにリリースされます。なんだか「カートの死を忘れるな」って言っているようです。リメンバー・カート。コマーシャリズムを誰よりも嫌っていた男が、死んでしまったことでいいように商売の道具にされている。滑稽ですが、死んでしまった以上しようがない事なんでしょう。

このベストアルバムは、未発表曲である#1「You Know You're Right」を目玉として、あとはニルヴァーナの歴史を時系列的に、ただアルバム発表順に抜き出し、リマスタリングをほどこした構成となっています。
オリジナルアルバム(3枚しかありません)からだけではなく、初期シングルを集めたアルバム「Incesticide」や、ライブアルバムである「Unplugged in New York」からも、まんべんなく選曲されています。
リマスタリングの力で、今聴くと弱いと思われる初期のサウンドも力強くなり、ベストながらそれなりの統一感をもったアルバムに仕上がっています。

ニルヴァーナを初めて聴く人には、ちょうどいい入り口となるような一枚です。このアルバムで気に入った曲から、それぞれのオリジナルアルバムに入りこんでいく、きっかけになりうると思います。

このアルバムが、最初にして最後の、普遍的なベストになってくれる事を望みます。

'04/03/10(T)



CLASH 「THE Essential CLASH 」+「singles」+「Story of CLASH 」

1988


1991


2003/04/23
パンクの2大バンドうちのひとつのバンド、クラッシュ。
もうひとつのバンドはいわずと知れたセックスピストルズです。ピストルズが瞬間的に爆発して、パンクの理念のままに消滅したのに比べ、クラッシュは理念を持ちながら、進化を続けていきました。
純粋なパンクロック好きには、初期の3枚しか認めない、といった風潮がありましたが、近年はレゲエなどをいち早くとりいれたその飽くなきリズムへの探究心への評価が高まっています。
また、ミック・ジョーンズの効果的なギターワークも聴きどころです
日本でも車のCMで「I fought the row」などが使われました。ポップ感も充分にある証明です。

そんなクラッシュなんですが、現在3枚のベスト盤がでています。
当サイトのコラム「ベスト盤理論」にそってオススメ度を考えてみたいと思います。

まずは1988年にリリースされた「ストーリー・オブ・クラッシュ」です。この作品は名前の通りクラッシュのストーリーを辿ることを意図されて作られたであろう2枚組。
クラッシュの活動軌跡の主要曲のほとんどは網羅されていますが、残念なことに曲順が適当にいじってあります。一聴しただけではストーリーを捉えることはできません。評価は△です。

次に「シングルス」。1991年にリリースされました。これはクラッシュの発表したシングルを年代順にならべた作品です。なにより嬉しいのは、シングル盤のジャケットデザインの再現が1作品ごとに1ページで見ることができるところ。リアルタイムで体験できなかった世代には嬉しいものです。
初めて聴いた時は「白い暴動」のアルバムとのバージョン違いに驚きました。ベースが跳ね回って、ギターフレーズは荒削り。
まあ、シングルヒットだけを狙ったバンドではないので、シングル盤を追っただけでは、全体像の理解は難しいかもしれません。ベスト盤としての評価は○ですかね。

さて、最後に2003年にリリースされた「エッセンシャル・クラッシュ」です。
ソニーが様々なアーティストでベスト盤を出している「エッセンシャル・シリーズ」の中の1作品ではなく、期せずして、急遽した中心メンバーのジョー・ストラマーに捧げる
意味をも持ち合わせてしまったベスト盤です。
これが、素晴らしいベスト盤となっています。
全ヒストリーを発表年代順に収録してあります。また、メンバーのなかでなかったものとされているラストアルバムからの曲も入っています。
まさに、クラッシュの歴史をたどるに最適なテキストが誕生したといえます。
また、リマスターが施されているのもあり難い。
ちょっとしょぼく感じることもあった音質がかなり劇的に改善されています。
これは決定版でしょう。評価は◎です!。

ちなみにマイブームの曲は「ロック・ザ・カスバ」です。クラッシュ最大のアメリカヒット(8位)となった曲で、主にドラムのトッパー・ヒードンが作ったと言う曲。1STのころはヘルプみたいな扱いだったヒードン。なんか嬉しくなります。ちょっとチャイナっぽいディスコ。カッチョイー。「エッセンシャル〜」に入ってるバージョンではいままで聴こえてなかった変なメロディも聴けます。

’04.03.08(A)


KINKS 「 THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY」


★★★★
KINKS(ライブ盤を含めると)7作目のアルバム。

この作品がリリースされた68年には、ビートルズ「ホワイトアルバム」、ストーンズ「ベガーズ・バンケット」といった名作が生まれています。
それぞれ今聴いても一級のすばらしいアルバムです。

それに比べるとこのアルバムは、地味です。音質もB級でしょぼく悲しくなります。
アルバムコンセプトも「田舎を大事に」と、「売れる気ないんかい!」とつっこみたくなる代物です。実際イギリスではチャートインすらしなかったらしい、、、。

しかし、です。
レイ・デイヴィスのはな声や、気もちわるいメロディが頭にこびりついて離れません。
もはやロックなのかどうかも危うい、素敵でオリジナルなメロディの宝庫なのです。

98年にでたリマスター(このリマスターについてもいつか何か書きたい)盤に入ってる「MR.SONGBIRD」って曲がお気に入りです。
楽しげな雰囲気がとても良いのです。

'03/09/04(A)


BEATLES 「 ABBEY ROAD」




★★★★★
今更ながらアビーロードをオススメさせて頂きます。ビートルズの実質的ラストアルバムとして有名ですね。
彼らの最高傑作として挙げる人もたくさんいますし、実際一番セールスがあったのもこの作品です。

そんなアビーロードなんですが、個人的にはずっと苦手でした。

 まず第一に音質が他の彼らのアルバムと違っています。光沢感のあるソリッドな70年代を先取りしたサウンドになっています。いわゆるビートルズサウンドとは趣きが異なるのです。

 第二に、ポップな曲が少ない(個人的判断ですが)ことを指摘したいです。レノン=マッカートニーによるいわゆる有名曲は入ってません。しいていえば「COME TOGETHER」くらいでしょうか。全体的に重苦しい、暗いイメージの曲が多いように思います。メンバー全員のこれで終わりだ、という気持ちがバイブとして漂っているのかもしれません。そのためジョージ作の「HERE COME THE SUN」のさわやかさが際立って聴こえます。
 
あとはやっぱりこのアルバムの主導権をポールが握ってることが気に入りませんでした。

自信と才能に溢れたポールが暴走してて、ジョンはあんまりやる気がないという感じがしていたのです。

でも’02年のツアーで生ポールを体験して、偏見なくこのアルバムに接することができるようになりました。

美メロの応酬なのです。後半のメドレーの奇跡ともいえる美しさ。もしこれらの曲が単体で完成されていたら、、とか妄想も膨らむ大作なのです。

’04/02/29(A)加筆



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